ito_kei2010-05-15



先日記の続きみたいなものですが
「ペット(飼われている犬猫)ならもちろん手術適応だけど、野生動物だから適応外だから…」
ふに落ちなかった。
なんというか、
「もちろん手術適応」と言いながら、ほとんどやったことない
「野生度物なら適応外」と言う根拠もはっきりしない
どうしてそんな簡単なことが言えるんだろうか。


出来る、だけどあえてしない
なら分かる。
出来ないのに、最初からしない


ほとんどやったことないのに何で分かったようなこと言ってるんだ!
というような。


骨折をして搬入される哺乳類なんて、年に数件程度の数。10もない。5もない。
それで何年何十年もやってきたら積み重ねもあるだろう
そんなことはここはない
(まだ施設として7年くらい
タヌキはトータルで100もいきません。
そのうち骨折なぞそんなにありません。
タヌキ以外の哺乳類なんてほとんどありません)



それこそ思うように安静になんてしてくれなくて余計悪化させることになったり
うまくいかなくて死なせてしまったり
そういったことはあった
年に数件しか来ないからゆえに、一回の失敗が痛い。
そしてたった一回の失敗でもうその方法を一切しなくなってしまう。
「前この部位はうまくいなかったことがあるから」…でも、それは一件だけだったりして
なんとなくたくさんこなして言える言葉とは違う気がしてしまう。


3月の研修でも言われた
「そんなに症例こなしてもいないのに、安楽殺基準とか、なんで言えるの?」
やったこともないのに「適応じゃない」なんて私には言えない。
やったことない上で「適応じゃない」と言われても納得はできない。



事実苦戦しているし、割に合わないかもしれない
でも、やっぱりでも
やんなきゃよかったとはまだ思わない。
自分の手技の悪さにいらだちはするけど、「やっぱり適応じゃないって!あんなの!」なんてことは思わない。




くしくも、記憶に残っている動物は同じ種類がほぼ同じ時期に同じような状態でやってくるときがある。


ちょうど一年前くらいにも骨折の動物が来て
すでに動物病院さんで二度の手術
それでもどうにもならなくてやってきた。
動物病院さんがどうにもならないものを、正直ここで出来るわけない。
足は腐って、みるみるうちに弱って死んでしまった。
適切な処置判断が出来ていなかった。
あの時ああしてたら、もっと経験と知識があったら
決断力実行力があったら
いろいろ重なる
腐っているのに気がつきつつ、怖くて点滴するしか出来なかった
あの頃の「だ、だ、だ、誰か決めて!やっていいの!?私には権限ないし…」なんて言ってたのとは少しは違うよ。
多分、多分。
去年の処置より今年の処置の方がなんぼかましだとは思える。
(動物にはいい迷惑な具合ではありますけども…)


写真は全然関係ありません!