ito_kei2010-12-20

せっせとせっせと夜なべです。
なんとなく、日中(勤務時間)にあんまり骨ばかりいじっているのも(ちゃんとした仕事ですが!)仕事してないみたいでいやなので
だいたい夕方以降に骨いじりをしたりしてます。
もう、とりあえず、時間がなーい!



↓左烏口骨。なんだかデコボコ

↓これが正常(右烏口骨)もっとつるりとしているものなのです。


烏口骨(うこうこつ)なんだかホネだけみてもピンときにくいですが
肩関節を作るホネです。
こんな風になっていたら、痛いだろう
「何か」があって、しばらくこういう変化があるまで生きていたということ
ちょっと欠けて治っている過程とか…そういうのだろうと思うけど
飛ぶということ、肩関節ということ
まさか動かずじっとしているわけにもいくまい。



これ某猛禽なので、もちろんそれなりに飛んで、獲物を捕って、生きていたはず。
たまたま骨にしていて気がついたものの、そういう気が付いていないところでの
「何か」が結構ある気がします。
胸骨が曲がっているのもよくあることです。
骨にしているとそういうのを見つけるから、またおもしろいのですが
生前にきちんと気がつけないというのも複雑
(この個体は死体搬入、なので生前診断とはいきませんが、肩に異常があったなんて予想もしてない。
よくある衝突程度の考えでした
衝突するにはそれなりの、素因があったのかもしれません。
動きが悪いとか、狩りの効率が悪い故に狩り場がリスクも伴う場所になるとか)



「なんだこれ?」と思ってカルテを探すけど、なーい!!
入ってた袋に「死体搬入」とだけ書いてあって、データがない!!
必死に思い出して、幸い(?)にして自分がいた間の記憶のある個体でした。
写真が少しだけ
紙や電子的なデータがないというのは、やっぱり良くない
(外部計測はしたはず…なんでないんだ!?)
死体だろうと入ってきた以上は分かるように何か残しておかないと
そこにある意味がずいぶん減ってしまう気がします。
レントゲン…曲がって撮れてるし…
記憶にない過去の個体だったらどれだけもどかしいか。
きちんと経緯を残しておこう。



死体は色々なことを語ってくれているのに、受け取り手が気がついていない
野生での出来事がそこにあって
肩関節の故障なんて、逆に治るのか…そのまま動くということがありえなく感じてしまいそう。
そんなことを感じます。