知床岬


昨日の夕方、研究室にいたら見ず知らずの後輩がやってきました。


獣医5年には夏休みに学外実習というものがあり、獣医関係でどこか
実習へ行くというものがあります(公務員の見学とか、動物病院とか、博物館とか…)
その中で、私は知床自然センターに行ってきました←かなり異種。
(8月くらいの日記を見ると分かると思います)
それを知った学生さんが話をききに来たのでした。


地の果て知床に興味を持つなんて、エライ!


ということで、センターとはどんなことをしているか、
行った場合どんなことを主にするか、
なんかを熱く語っておきました。

基本的に獣医師の資格を持っているスタッフはいます。
しかし、実際の現場でその資格を活かす機会はほとんどありません。
(ヒグマが捕獲された場合の麻酔のみといっても)
管理職でもあるため、文書作成などなどで忙しいというのもあるかもれません。
実際は死体が運ばれてきたときに病理学的に検査する、とかやっている暇もありません。
(外部計測などはします。これは獣医でなくともできるので)
いかに野生動物保護管理の現場で獣医という資格を活かしていけるか、獣医という
資格は必要なのか。
私自身も非常に考えさせられ、勉強になったがために何度も通っている身になったわけです。
なにより知床は野生動物保護管理として最先端をいっている場所であると思うので。
対馬などもすごいと思いますが、なにぶん行ったことがないので)


学校で学ぶ獣医学は個体のまたその中の病気のそのまた仕組み…のように
とても「個」を見ている学問であると感じます。
生態系をしらない獣医が多い、という言葉を現場で聞くのも良くありますが、
確かにそういう教育を受けることはほとんどありません。
テレビでかっこいいサバンナのレンジャーを見てその気になっている。
それだけになりがちです。
実際知床行ったらダニはすごいわハチに刺されそうになったり
ヒグマに接近遭遇したり、観光客のマナーの悪さに閉口したり…。
とてもかっこいいだけでなく、むしろ汚い部分もいっぱい。ドロだらけです。


だからこそ、興味を持ったならば是非行ってきて欲しいし、
行くならそれなりの気合いと心意気と、まえもった知識などを十分にもって
知床というすばらしい場所を満喫して吸収してきて欲しい。

思わずかなり熱く語ってしまいました(後輩さんごめんなさい)
もし、彼らが本当に知床に行くなら、沢山吸収して、視野を広げて
来て欲しいと思いました。
そんな私も夏はちょっと位は知床に行きたいので、会っちゃったりして。
世界遺産もどうなるか、もうすぐ分かるでしょう。
そうしたら、また今年の夏もさぞ忙しいことでしょう。

写真は去年の夏行った知床岬の先端での写真です。
爽快でした。(なにげに私の長靴がうつっています)