救護の目的のひとつ

知床にて

沖縄でクロツラヘラサギが釣り糸に絡まって死んでしまったそうです.
数日前ですが…
貴重な種なだけに,残念です.


でも[釣り糸に絡まった鳥]は世の中たくさんいます.
実際口から浮きがぶら下がった状態のウミネコを見たこともあり
知床にいるとき保護されてきた時もあり
奄美でも脚が1本なくなっている(壊死して落ちた?)チドリがいたり.


当然いちいちニュースにするのもきりがないほどです
でもさすがにクロツラヘラサギは超貴重.
世界的にも数が少ないっていうのに,釣り糸という人為的なものによって命を落とす.
大きくいえば日本の恥みたいなもんなんじゃないでしょうか.
マナーの悪さを露呈してしまったかのような.


でもそれで,実際に釣り糸によって被害にあう生き物がいるということが
少しでも世間に知られれば,
それで少しでも気にする人が増えれば,
救護の目的にかなったようなものです.


よく[救護しても,その一匹一羽が生態系にどれだけ貢献できるのか,意味なんてないんじゃないのか.自然淘汰の一環じゃないのか]なんて議論はよくあること.
でも救護しているのは,その一匹一羽が助かる為だけじゃなくて(むしろそこには重点は置かれない場合が多いような,貴重なものは除きます)
救護しなくてもいいような世界にしていきたい.
なんて大きすぎる目的があります(少なくとも,私の中で)
そのためには[知ってもらう事]は大きな位置を占めます.
誤認保護も知っていれば減るはず,
釣り糸もたくさんの人が気をつければ減ること,
どんな状況でどこで救護されるのか,原因がわかればそこを工夫して減らす事もできることもあるはず.


だから一匹一羽の命のために救護をやるのではなくて
その個体を連れてきた一般の方にそういうことを教え伝えられるように
ならなければと思っています.
(もちろん一匹一羽,大切ですし,そこで得られたノウハウは
今回のように,貴重種にも応用ができるはずってやつです)


クロツラヘラサギは貴重だし,死んでしまったのは残念だけど
このようにニュースになるということは
救護をしていきたいものにとって,ほんの少しの一歩でもあるように感じつつ,道のりの長さを感じました.
(なんだか分かりにくい表現でごめんなさい)
救護という気運が高まれば,発見率も上がる,と行けばいいのですが?
そして,そういう一歩から色々興味を持ってくれたらなあ,と思いました.