ito_kei2006-06-19


先日こんなことがありました。
あるワンコのフィラリアの予防注射を私が打つことに。
(うちの病院では飲み薬以外に注射予防も行っています。どっちにするかは飼い主さん次第)
そのワンコは病院で注射を打ってもらうとほとんどにおいておうちで吐いてしまうとのこと。
ワクチンにしても、狂犬病にしても。
アレルギーというより、ストレスかなにかと思われる感じ。
「どの先生が何を打っても吐いちゃうんですよね(苦笑」と飼い主さん。


「じゃあ今日もおうちに帰ったら吐いちゃうかな。吐かないといいね。すぐ終わるからね。」
などと声をかけつつ注射終了。
ワンコに声をかけつつ、飼い主さんにもかけつつ、みたいな感じです。


そうこうして、診察はすぐ終わります。


その飼い主さんが昨日、フードを買いにやってきました。
そうしたら
「先日フィラリア予防の注射を打ったとき、うちに帰っても吐かなかったんです。
あの先生にお礼を言っておいてください」
とメッセージを頂きました(看護士さんが受付をしたので私はこのとき直接いませんでした)


予防接種などは流れ的に問題なければ誰でも同じです。
だからこそ私もやっているのですが。
それでも、今までどの先生に注射されても吐いてしまった子が、たまたまにしろ、私が注射したら吐かなかった。
飼い主さんにとっては、「あのヒトが注射したら吐かなかった」と色々いる「獣医」の中で私を認識してくれたわけです。
やっぱりとっても嬉しいことでした。


一部主治医制な部分があるうちの病院では、うちの子はこの先生。というところもあります。
そうでもない子(継続経過観察の必要のない健康な子とか)は毎年の狂犬病やワクチン、フィラリア検査などは
毎回色々な先生が見ることになります。
だからとくに健康な子はこの獣医、という認識がない場合も多いことです。
今まではほとんどそういった問題のない子の診察を行ってきたので
多くの中の一人でしかありません。
(特にうちの病院は今までもすぐにやめてしまったというヒトも多くいたようなので…)

「○○先生いますか?」という指名みたいな場合もたまにあります。
ゆえに勤務医の先生についている子も沢山います。
見ていてやっぱりそういうのはちょっとうらやましい。
もちろんまだまだ未熟な私にはとおい話です。


でも今回は初めて「私」に感謝をされました。
とっても嬉しい出来事でした。