どこかへ行きたい②御蔵島そのいち

ito_kei2007-02-05

御蔵島
もう今や私にとってなくてはならない島です。
ここ数年、毎年行っています。


奄美は研究って名目(?)があって、滞在する拠点があって
知床は野生動物保護管理、観光客問題などなどを実体験したくて行ってて、ここも拠点があった。
御蔵島は拠点もないし、名目も大きなものなんてないけど
何度だって通いたい。そんな場所です。


前回の前置きで書きましたが、はじめての御蔵は「なんて読むんだろう?」なくらい(みくらじま。です)
ウエットスーツ着たことないし(ハダカで着ると思ってた…)、もちろん足のつかない外洋で泳ぐなんてありえない。
泳ぐこと自体、何年ぶりだろ?なくらいでした。


本当に「イルカセラピー」ってありなのか
私なんかでも何か感じるんだろうか?
なあんて思っていました。


島までは船。
付いたとたんにもうじゃあ午後に用意しておいてね〜。
よくわからないうちに即実践でした。
(事前の予習が全く足りないんですが)


ボートに乗って、ものの10分(今までの最短は3分)で「あ、イルカいたいた。」なのです。
本当に普通にいる。
衝撃でした。
そりゃあもう、興奮しました。
しかも、イルカからボートに近づいてくる。船首でバウライディングなんかもしてる。
イルカに囲まれるなんてこともあるし
行き成り船の横で息継ぎとか

タイミングや、イルカの状況(休息中とか、若オスの群などは避けます)をみて
はい、どうぞ入っていいですよ〜とOKサインがでます。


でもはじめて海に飛び込んだときは半溺れでした。
何回かやっているうちに、ウエットスーツってじっとしてたら浮くって分かってきて、
そして「イルカー!」てもがもが頑張ってるうちに、なんとかなっちゃいました。
いつしか足が付かないとかなんて、気にならなくなる。
不思議なもんです。
でも眼下にはすっごいいっぱいイルカがいたりするわけで「あと一秒我慢!」なんて思ってしまうのです。
もうちょっと、もうちょっと見ていたい。


泳ぎがうまいとか下手関係なく、イルカは寄ってきます。
後ろから突然追い抜かれたり(絶対わざとだと思う)
じい〜っと見られたり
ジジジ…とエコロケーションされたり
泳ぎがうまくなってくると、一緒にくるくると回れたり、色々なタイミングがあってくるんです。
まさに「遊ぶ」
(このレベルまでくるのに何年かかかりましたが…)
そんな瞬間はまさに快感です。




はじめてイルカと泳いだ感想は
「思った以上にでかい。怖い」でした。
かわいいとかかっこいいとか、ありえません。本気で恐怖を感じました。
あまりに近い。もう手の届く距離です(うっかり触れたこともあります。基本ルールでは触っても触ろうとしてもいけません)
こちらは海の中で、明らかに不利な状態。イルカの方が断然有利。
そんななかでいきなり至近距離にやってくる。
最初は本当に怖いと感じました。
今でも、「かわいい〜」とかラブリーな印象はありません。はっきり言って外洋でイルカがその気になったら殺されちゃうし。


島一周ボートで行くころには、もう感覚マヒ。
「ああ、イルカいたいた。でもちょっと遠いよね」
なんて贅沢な。
それくらい、当たり前にイルカがいる島なのです。


島ではバンガローでの半キャンプが今までほとんどでした。
バンガロー、安いんです!
寝袋だし、自炊だし、床固くて痛いし、寒いし。
しかも水シャワーしかしばらくありませんでした(今は有料ですが、お湯がでます)
釣りして、それを食べたり
そこらじゅうに生えてる明日葉を食べたり
かなりワイルドな生活をしました。
実のところ、はじめての御蔵島で釣りをして、そこではじめて刺身を食べれるようになった私でした。
夜はミズナギドリがどんどん島に戻ってくる(ミズナギドリの繁殖地です)
夜はミズナギドリの声がいっぱいしました。


なんだかはじめての御蔵島は、本当に今でも楽しかったなあ、と思っています。
勉強会メンバーだったので、友達もいるけど、あまり面識のない先輩もいました。
でもいつしか仲良くなっちゃうんです。


はじめての御蔵で感じたのは、「イルカはセラピーをどうのなんて思っちゃいないな」
ってことです。
むこうは勝手に自由に生きているだけ。
我々がお邪魔してるだけ。
どのヒトを優先とかそういうのはないだけ。
でも、島のゆっくりした時間、島の方々の優しさ、そういう全て含めてセラピーになってるのかな、と思いました。
ちょっとそういう意味で、沖縄の離島に近い感覚を持っています。


野生動物ってほとんど、ヒトみたら逃げます。距離置こうとします。
近づいてくるようなのは餌付いてるとか、そういうのがほとんど。
餌とかの目的もなく、むこうから近づいてくる謎の生き物。
しかも殺傷能力を持っているのに。
イルカに対しそんなイメージを持ち始めた頃です。


そしてすっかり鯨類にはまっていくのでした。


すみません、続きます。