8月半ばから通勤中に観察していたカルガモ親子
今週になって、ついに親離れした様子。
先週までは毎日とはいわないまでも、親と子(3羽)が並んで泳いでいる姿や採餌中の姿はよく見ていました。
その個体じゃない可能性はもちろん十分にありますが、通勤中で見える範囲(川沿い)で他のカルガモ個体はほとんど見ません。
一羽ずついるのを見かけます。


9月入ったころからはもう、すっかり成長してどれが親でどれが子か分からないくらいになってました。
どのタイミングで「離れ」が起きるのかとても不思議です。
8月からというちょっと子育てとしては遅めのスタートでしたが
季節が変わりきる前に間に合ったようです。
見つけるまではもっといた可能性はありますが、3羽の状態で見かけてからは数も減らず、大雨があってもこの一か月一羽も減らずに育てきりました。
ただ感心するばかりです。




自転車で通り過ぎるだけだと特に反応はなし。
自転車の速度を緩めるとちょっと気にして距離を置こうとすすす…と移動
自転車を止めると移動速度がアップ(飛び立ちはしません)
これが野生動物との距離なんだなと感じていました。
この、こちら側(ヒト)の動きを見て距離感や警戒を親から子に受け継がれるのでしょう。
もしこのカルガモ(親)が餌付いてたりしていたらもっと近づいてきたかもしれない
もっと警戒心強いカルガモ(親)なら通り過ぎるだけで逃げ隠れていたかもしれない。
昔からするとカルガモもずいぶん距離感が近くなったんだろうと思います。


救護されてくる雛(ほとんど誤認保護ですが…)を育てることが多くありますが
この「ヒトに対する警戒心、距離感」は教えることができない。
無駄に人慣れをさせない努力はするけど
もちろん餌のことや、その他の危険回避やいろいろ何も教えられることはない。
何度このカルガモ親子を見て「今いる個体を引き取ってくれまいか!」と思ったことか
(もちろんできませんし、救護地点が違うのでそういうわけにはいきません)
雛を無事育てても、警戒心はやはり野生のものとは全然違うものになってしまう。
ある程度育ってくると、自然にヒトとの距離はできてくるけど、はるかに近い。
うまくリリースまで行き着いても、そのあとうまく繁殖個体群にはいれたとしても
親になったその個体がヒトとの距離感をやや近めに子に教えていく。
そうして野生動物との距離感を狂わせるんじゃないか
そんな心配もしてしまう。


救護が生態系、個体群にプラスの効果ばかりではないというのはいろいろな方面で聞く
カルガモの親子をずっと観察していて、どれだけをヒトが教えられるんだろうか?
ほとんど教えられることなんてないんじゃないか。
と思います。
(本能というものがありますので、教えなくても備わっている部分がありますが)


ツバメもすっかり見なくなって、わたりの途中であろう種が搬入されたりして
季節を感じております。