お世話になっている奄美のガイドさまのブログで
「素材」がよければ、そこにある自然の質が高ければ余計な(環境教育の)テクニックはいらないんだ!」
と書かれていて、なるほどなあ、そうだなあと思うことがありました。



先日学生さんたちと、動物探しに夜の山へ。
時間や車の都合で、いつものように車走らせて路上や道路脇に出る動物を探す、というはせず
山まで行って、そこから近くをゆっくり散歩するという形式でした。
強力なライトがあるわけででもなく、結構な人数でわいわいと歩くので
大物(哺乳類)はさすがに期待は出来ないかなあ…


珍しいわけではなく、日中でも近くでもいるはずの生き物がいます。
クモや、小さな虫や、果てはゴキブリやムカデまで
多分普通なら「ぎゃっ!きもっ!」と遠ざかってしまいそうなのに、こんな夜にこんな場所だと
逆に一歩前に近づける。
みんなが珍しそうに、かなりの至近距離でまじまじ観察していました。
不思議と夜の山で見る生き物は、いつもと違って見えるのかもしれません。
そっと観察していれば、むこうから襲ってくることもありません。
誰一人、気持ち悪いと目をそらさず、見ています。


コウガイビル(血は吸わないヒル)もいましたが、こちらも意外な人気。
小さな懐中電灯に人だかりが…
携帯で写真撮る人も(どこかで使うんだろうか?)

なんとテンが現れて、嬉しい大物になりましたが
見えなかった人もそっと静かにしてみて、林の奥でがさがさと動く音を聞いてもらいました。
なんとなく、テンよりもヒルの方がみんなの反応が大きかったような。



哺乳類という大物が出なくても、十分にそこにある自然を感じて、探して
いつもは見逃してしまうような小さな生き物を探して、観察して
全然そこに自然を感じる素材はあふれていて、感じ方次第なんだなと感じました。
正直内心は虫とかだと、インパクトあんまりかな〜と思っていました。
せめてカエルやヤモリでも出ると…なんて思っていました(カエルは鳴いていました)
予想以上にみんなが喰いついてくる!
自分全然みくびっていました。


見たもの以上に、みんなのうれしそうな反応や時間を忘れて真剣に地面を探す姿(すでに虫探しになってる)に
すごく印象深い夜でした。
まあ、私が率先して探して喜んでましたけど…(しかも私が企画や引率ではなく、私も便乗参加)ここでしれっと「こんなのよくいるし、たいしたことない」なんて言ったらまた違ったことになったんでしょう。
一緒におお喜びでした。
でもそれも、いいのかも。


どこにだって「素材」はいるんだなと感じる夜でありました。