ito_kei2010-01-04


まだまだ、ムササビに振り回される日々です。


話を聞くとなんの苦労もなくあっさりといろいろな葉を食べて、あっさりと自分からミルクを飲まなくなって、と
スムースに離乳して成長するやつもいるらしい。
以前救護された個体もカルテを見る限り割とあっさりした感じ(記述が少ないから、詳しい状況が把握しきれないけど…)
いろいろ読んでもたいてい「自然に飲まなくなる」とな。


しかしうちに今いるのはそうもいかないご様子。
自然に…って自然に任せてたらいつまでも飲みそうな勢いです。
自然に飲まなくなるってことは、別段つきはなしたわけでもなく、普通に移行するようなので
今の個体が別段甘やかしの結果とも言えないよう。


でも、そうもいかないよう…



背中の毛がいつしかいわゆるアンダーコートが目立ち、オーバーコートが減ってしまいました。
他はオーバーコートもアンダーコートもしっかり生えているのに。
鼻ヅラもはげてしまった。
最初はもしかして、タヌキから疥癬でもうつったかとハラハラしていました。
寄生虫?それとも真菌とか?ホルモン?栄養?そんなもん?
さすがに様子を見るしか方法がありません。


ちょっと前の日記にも書きましたが、別のムササビっ子の姿を見て、毛の感じは違うものの、
共通するところもありました。
その背中の毛の感じでした。
別の生まれで別の生活を送ってきたのに、それって多分寄生虫じゃないし、ホルモンでもないし
栄養の関係かなと思うようになりました。


月齢的にも、大きさ的にも、もう「自然に飲まなくなる」時期には十分に来ています。
体の要求が変化していくということ…のはず。
人だって動物だって同じです。
ミルクから得る栄養と、植物を食べ消化して得る栄養とは相当違いがあるでしょう。
もしかして、その問題が毛にあらわれているかも…と思ってしまいました。


全く的外れかも知れません。
でもやっぱり自然に任せてたらちょっと良くないかも!と改めて思いました。



体重見つつ、ミルクは減らし、空腹のようであればあれやこれやと葉を見せてみたり。
少しずつ食べれる葉は増えつつあって、バリバリと一気に食べる量も増えてきました。
(この言葉を言い続け、長いですけど…)
いやいや、本当に増えたと思います。
鼻ヅラは毛が生えてきました。このおかげかどうかはわかりません。


おかげで通勤の行き帰りの植物採集がどんどん大変になってきました。
すぐしおれてしまうので、行きで探し、帰り収穫。
あやしいったらありません。
しかも良かれと思ったら無視されることもしょっちゅうです。
でもそうするしかない様子。


この個体の癖なのかわかりませんが、さっきまで食べたものを今は完全に無視というのはよくあること。
ないとわかるとそれはそれであきらめてしまう(妥協のものは食べないというか)
眼の前にあるものを食べるとも限りません…
だから、これよく食べる種類と思ってわっさりおいておいても食べたかどうかは見てないと分からないのです。
このあたりの癖というか「空腹だけどその植物がいらない」という意味なのか「空腹じゃないからいらない」のかはとてもわかりにくく
多分毎日世話していないとさらに分かりにくくなっていると思われます。
つまりもはや自分しか把握できないんじゃないかというとこまで来ています。
これがもっと成長して、明らかにバリバリ食べているようになれば安心なのですが。
おかげで休めません。
ミルクという単一のものでまかなえたころの方が分かりやすいのかも…



職場で以前いた個体(私が来る前)は、結局死亡してしまったのですが、離乳も済んで野外ケージでリハビリまで行っていました。
でも、死亡してしまったときの体重は半分近くまで下がっていました。
人慣れを避けるあまりか、餌置いてすぐ立ち去る。というかんじだったよう(カルテ見る限り)
もしかして同じように、食べているようで食べていないとか
そういうのってあったんじゃないかなと思っています。


野生であれば、相当にとっかえひっかえ餌を探し続けているであろう種ですし
それをケージの中で距離だけ置いてまかなうというのはとても大変だろうと察します。
今でもこうなんだから、完全離乳したら1キロの体重を維持する分の植物、しかもありとあらゆる好みの種類で
常に新鮮でないといけません。
これって相当大変です。



そう思うと、離乳して、それなりと思ったら野外ケージでしばらくとしない方がいいような気がしてきています。
そんなのまかなえそうにもない。
餌の豊富な時期に合わせて、それなりの体力まで持って行って。
(とりあえず寒さにも強くなるべし!と暖房を強くできず、凍える家主)
タイミング合わせないとそれもやっぱり大変そう。


まだまだ妄想の域にすぎませんし、考えるとそれはそれで非常に不安要素の多いことではあります。
どうなることか…




そんな悩みの種の姿を見て、「!!」な顔のうちのねこ。
(こんな顔はしますが、襲いかかりもせず、見てただけです。)