ito_kei2010-05-30



タヌキっ子が来たおかげで、感慨深い気持ちになる余裕もなくなってしまいました。


8か月にわたって手を焼いてきたムササビ、ついに「次の段階」に向かいました。
出戻る可能性もありますけども…
今までも段階踏むごとに出戻ってるな…いやいや!


いつもなら、OKと思えば(思えなくても、これ以上出来ないと判断された時点で)ある日突然救護地点にポイ!ですけど
今回は幸いにして(?)もう一段階踏めることになりました。
まさに特例です。


突然全く知らないところに放り出すしかなくて
本当に自力で餌を選択し、採れ、生活力があるのかどうか
危険からの回避(育てられたムササビだと、生活空間が野生のものよりも低くなるようです。へたすると地面を歩いてしまう。樹上に生活空間を持つということだけで相当違うはずです)
雨風その他からの回避(巣を探したり、そういうの)
何も確証のないまま放すことになります。
もとから野生で生きてきた大人ならまだしも、数週間で人のもとに来てしまった。
外の世界なんて知りません。
(その他いろいろ、諸問題は前回の日記参照)


ここまで育ったとなると、やっぱりたくましく野生として生態系に戻ってほしいもの
放して、その日に実は…なんてことは避けたくなります。
もちろんこの辺は育ててきた「親」としての感情もおおいにあります。それは否定できません。
こいつだけは…!というような、特別な思い入れ。
「さようなら!元気でね!」っていきなり放り出された方はたまったもんじゃないのに、見た目だけはそれっぽいなんて苦労水泡なんてもんじゃなくなってしまいます。
生態系の一員として、繁殖して、生き抜いて欲しい。


まだ最終リリースではないですし、あくまでも次の段階
でも、めちゃくちゃ大きな段階です。
やっとやっとここまで来ました。



と、いうことでムササビは「ここ」にはいなくなりました。
毎朝毎晩世話を焼くこともありません。
暑さでぐったりしているのか、寝てるのかわからないとか。そんな苦労からも抜けました。
(以前同じように育てられた個体は熱中症で死んでしまっているのです。
だから、暑さが何よりも怖い
たくさんの学生さんが悲しんで忘れられずにいたようです。
その後悔を払拭するためにも、暑さでトラブルは避けたかった
同じ失敗を繰り返すわけにはいかなかった)


9月から、我が家のトイレを占拠すること4カ月
離乳、自力採餌、自力排泄、食の幅、動き…
すっかり外のケージを自在に動きまわり、木の皮を剥いで巣材に持ち込んでいました。
もうあと少し。
もういつだって。



もうずっと「いつでも次の段階に」って言いながら、どこか躊躇して「もう少し、あとちょっとだけ…」とこちらの思いを押しつけてしまいました。
常にサツマイモがあるように(サツマイモだけじゃないですけど)確保して
通勤途中の木々もいまだに思わずちょっと失敬しそうです。
渡そうと思って買っておいたサツマイモを渡しそびれていました。
(無駄なところでチキン)
今日自分で食べちゃいました。



においをかがせれば、私を認識はしていました(多分…)
出来ることなら、一日でも早く、私のことなど忘れて欲しい。
私を見ても、むき出しに警戒して欲しい。
身勝手な願いかもしれないけど、そう思います。



そんな思いでに浸る週末を過ごすはずが、奇しくも同じ日にやってきたタヌキっ子。
ふける暇なく始まった子育て第○回
あ〜あ…