ito_kei2010-07-21


私の無知・認識の薄さのせいで、お前は戻るべきところにも戻れなかった。
まっとうな治療すら受けさせてあげられなかった。
たとえ治らなくても、落ち着ける場所に戻してあげることは出来たかもしれないのに。


今でも同じ症状をもって来られたら、今の私にも治療はまず出来ないと思う。
当時よりもうちょっとはマシな維持は出来たかもしれないけど。
治すまでの技術は、多分ない。


無理やり餌を突っ込まれて
あり得ない姿勢で箱に入れられて、上からのぞきこまれる恐怖
強いストレスとともに、逃げるようにあっという間にいってしまった。
もう2年くらい前。


あの時、もっともっと知っていたら
もっともっとそういう可能性を踏まえていたら
ちゃんと調べていたら
治すことは出来なくても、帰るべき家を探すことは出来たかもしれない。



お前の思い・訴えに気がついてあげられなかったこと
全国でもきっとそうやって気がつかないで事が済んでしまうこと
帰るべき家に戻れず、良かれと思って野に「捨てて」しまうこと
ずっと忘れられないでいた、そして何とかしないといけないとずっと思っていた。



ちゃんと発表しよう、その認識をもっと持ってもらおう。
そう思えたのは、お前がいたからだと思う。
どうか、少しでもお前の無念が伝わりますように
私はがんばるよ。



(注:野生動物に対して、「この子」とか、「○○ちゃん」と愛称をつけることは極力ありません。
家庭の子と区別するためです。
なので、ぶしつけな「あいつ」「こいつ」「お前」みたいな表現が多くなります。あるいは「この個体」というようなドライな表現。
口が悪いようでもっといい表現はないかな、と思う日々ですが
そういう意図のもと使っていますので、ご了承ください)