ito_kei2010-07-20


つい数日前にも書きましたが、今日ついにタヌキをリリースしました!


ガビガビの疥癬だったやつ。

タヌキ - itokeiの日記 〜野生動物救護的生活@奄美

ヘアレスハイエナみたいだっだのに、もうちゃんとタヌキになりました。

体格もよし
毛は生えそろいきってはいないけど、時間の問題(尻尾だけ)
まだ順番待ちもいますし、もうGO!です。
(スタッフの都合や天気やいろいろ兼ね合いがあるので
タイミングがあわないとずるずる過ぎてしまうのです)



車とかの関係でリリースに立ち会うことって少ないので
今回も立ち会うことはなかったですが
まずあっという間に行くだろうと思ってました。



前も書いていますが、瀕死の状態
試行錯誤ではありましたが、過去の失敗の山の上にこういう結果がやっと出来ました。
保温は?
点滴の早さは?
投薬は?
「これくらいの疥癬になると治らないのか?治療しても無駄なのか?」そう葛藤していた真っ最中でした。
治るよ。
治ったし、今まで「治療しても治らない」のは、治療の仕方が間に合っていなかったことが分かった。
うちの職場でここまでの状態での回復は初です(他の施設ではあります)
私が治療して、回復した!って言えるものです。


屍はたくさんたくさん
それをどれだけ乗り越えたら先が見えるんだろう
その屍以上の命をなんとか出来るんだろうか
その可能性を感じることが出来た個体
私なんかに何が出来る?自己嫌悪のカタマリの中のわずかな可能性
あの日あの時私がいなかったら
こうしよう、と判断しなかったら
今頃ホネの仲間入りしてたことでしょう。



疥癬は分かっていないことは多い
免疫異常が素因にあって、治しても再感染する可能性は十分ある
治療対象じゃないという意見もある
でもこうして、瀕死の個体を持ち上げる
さっさと諦めて終わらせてしまうことでは分からないことを
たくさん教わりました。


きっとこれからも、獣医としてくじけそうなときに
まかりなりにもちゃんと出来た経験として、思い出すことでしょう。



どうか元気で。