25年度が終わり、25年度は丸々一年関わったわけですが
保護収容された傷病鳥獣は47頭羽でした。
(死体搬入や搬送中に死亡も含まれます)


ここ最近は死に詰んでいて本当にげんなりうんざりです。
今年に入ってサシバが続いています。
結局14羽来ました。
その間にサシバ以外もちょっとだけいますが、ほぼ連続してサシバです。下手すると一日に二羽来たり。
そしてほぼほとんど餓死寸前。
ほとんど助かりません。
目の焦点も合わず、立っていられず、体温も低く、抵抗もできない
そんな具合な個体ばかりでした。
はっきり言って翌日まで持たないのがほとんど(おそらく野外で保護されなくても、数時間?)


しかもサシバ鳥インフルのハイリスクに入るので、まず簡易検査をしてから搬入されます
なので保護から運ばれ検査され、運ばれ、と衰弱している上でさらに疲労困憊になってしまう。


骨髄に点滴しても間に合わない
解剖したら皮が張り付きすぎ(重度脱水で)だったりもします。
さっきまで生きていたのに…
そして餓死寸前レベルなので、もう消化機能も動いていないような状態であったりします
食べさせても消化できない、
でも栄養が入らないとエネルギーが明日をも持たない
消化できてもストレスで結局消化できなくなってしまう


食べないと死んでしまうし、食べても死んでしまう。
微妙な按配もきっとあるのでしょうが、本当に難しい
みんながみんな同じレベルでもなく、しかも交通事故被害にもあっていたり、ここずっと頭を悩ませてます。
どうしたら間に合う?
本当に間に合わない?
治療するだけ無駄なのか、それとも治療の仕方が足りないのか



なんだかいつぞやの疥癬のタヌキのようです。
それまで何年も一頭も助かったためしがない。
やっても無駄、な空気があった。
本当にダメなのか、本当に「治療したけど助からない」のか、これまでもできる限りをした上なのか、分からなくて試行錯誤した
どんなことをしてもダメなら治療行為を一切しなきゃいい。ダメなら。
漫然と助からないやり方を続けても無駄でしかない。それじゃ足りないんだから。
結局何頭か助けることができた。
治療しても無駄なんてことはなかった。
ただそれまでが足りていなかっただけで、ここまですれば助かることもあるということは分かった。
[ http://d.hatena.ne.jp/ito_kei/20100720]
(↑探したら出てきました。懐かしいなあ。)
餓死寸前サシバも同じで、
治療しても間に合わないのか、
本当に適切な治療ができているのか、
まだ、分からない、もっとできる気もする
たった10そこそこでは分かった顔なんてできない。
少なくとも最初にサシバが来た頃よりは、いくらかは…?



言ってしまえば自然死で、若い個体が餌をうまく採れずに死んでいく
自然の流れにすぎません
そこまでする必要はない。手を出す必要もない。
ただ運ばれてきた以上、人の手がそこで加わってしまった以上は出来る限りをしたいし
自然に死ぬかもしれなかったものを一回くらいはチャンスを与えられないものか…(おこがましいったらですけど)



野外でサシバを見るたびに「元気か?それともぎりぎりなのか?」なんて見てしまいます。
こうも連続で来ると健康で餌を捕れている個体なんていないんじゃないのかとすら疑ってしまう。
いや、そんなもんなんでしょうけどさ。



へこみつつも、なんとかがんばるであります。