反対側が血まみれです。


御蔵島で、夜ミズナギドリいないかなあ〜と夜道を歩いていました。
ごそごそっと音がして、いたぁっ!!
ばたばたと走って側溝から小さい川(というかでかい側溝というか)に落ちました。
急いで追っかける我々。
そしてとっ捕まえるワタシ。


捕まえてみると、翼を怪我していました。
かなり出血しています。
(そして私も噛み付かれて出血)


ミズナギドリは生活の大半を海で過ごしています。
この時期、繁殖の為、巣穴堀り、抱卵、育雛のため御蔵島に降り立ってきます。
夜8時〜10時ころ突っ込むように森に入っていく姿が沢山見えました。
朝は3〜4時には木に登って落ちていくように飛び立って行きます。
あまり目が良くないのか、またよくわからないのですがかなり適当に
降りている感がするのですが、こうして間違ったところに落ちて、
怪我する個体も多いのでしょう。
桟橋でも死体をよく見かけました。
明らかに陸を歩くのに適していない体形。
ついでにまじまじと見てしまいました。


今回は自然淘汰であると判断して、そのままにしました。
多分巣に戻れたとしても、飛べないでしょう。
次の日にはもういませんでした。
もし助けようとも旅のさなかであるということ、
助けても怪我がなおるのか、治癒までに脚などの方に負担がかかるであろうということ、
などなどを考えて、すべきでないとも思いました。


こうして傷病、自然淘汰であろうものに直接出会ってしまうと
分かっていてもなんとかしたい。なんていう感情も否めません。
数百万もいるミズナギドリにおこる数%の淘汰などたいしたことではないのでしょうが。


自分があそこで放置するという選択をしたのは間違っているとは思いません。
(捕まえたのは余計疲弊させたかも…)
「自然」というものをリアルに見た気がしました。


といいつつ血をみると研究室病がでそうでしたが…
さ、サンプルぅっ!!