ito_kei2007-02-22

映画じゃないですよ。
なんとなく、そんな言葉が思い浮かびました。
(うっかり映画のお話だと思った方、すみません)


久米島行ったとき、ホタル館の館長夫妻とお話をしていたとき。
色々なお話を聞きました。


久米島。名の通り、米がよく採れた島だったようです。
それだけ水が豊かだったってこと。
でも今は、ほとんどがサトウキビ畑になっています。
水田ってもうほとんどないみたい。
私が島回ったときも、一ヶ所だけ、小学校のところにありました。
そんなに久米島通でもないから私が言うのもなんですが、
「水場が少ない」な感覚。
その季節もあったかもですが、からからしていました。
奄美とか、もっとじめじめした感じ強いのですが…(いやな意味ではなく、土も湿ってて、いい感じという)
どこ行ってもキビだから、当たり前ですが。。
そんなに水が豊かだったなんて、想像できません。。


そして、そのキビには相当な農薬も使用されてるということ。
それはある程度は仕方ありません。
こういう場所なだけに、害虫も多い。
外からああだこうだいうのも勝手な話。
でも、余った農薬も水で薄めてそのまま捨てちゃう(流しちゃう)ような世界です。
農薬問題は相当やばいようです。



赤土問題。
やっぱりすごいです。
久米島での有名な場所といえばイーフビーチ。
泳いだけど、サンゴはありません、魚もほとんどいません。
(逆に空港近くの浜の方がいっぱいいた)
イーフビーチの両側には川があって、両側から赤土が流出します。
それでサンゴも死んでしまったとのこと。
それだけじゃないと思います、砂地だったらもともとそうなわけですし。
毎年赤土監視は春以降なのですが、今年はすでに赤土地流出が確認されているようです。


クルマエビ養殖が盛んですが、やはりこれも相当汚染もあるみたい。
確かに山の上から海の写真撮ると、海は青いけど、手前のエビ養殖池は茶色いです。
奄美にも確か、エビ養殖池がありましたが(もう使われていなかったかも)やはり、付近の海に影響が、というお話を聞いた覚えがあります。



観光業界的には、マイナス面は見せたくない。
ゆえに、ホタル館にもあれこれ言われているようでした。
ハブを展示することも、あまり良くみられない面もあるようです。
「ハブがいるってことで、敬遠されるから」
ハブ注意のあれこれをしても同じく、やめてくれといわれる。
「山に入る人が減っちゃうから」
でも山行ったらハブはでるけど…
「舗装道路にはハブはでないし、舗装道路以外を入る人はいないから」
いや、ハブは舗装道路にも出ますけどね。


ハブに出会ったらどうするか、どう対応するか、を知って山に行けってわけじゃあなくて、
ハブのことを知らせないのか…。
これは結構驚きました。
当たり前のようにハブがいるという前持った認識のもとに向かっていたので、にわかに信じ難いというか…。


他の生き物も、飼育展示をあまり良く思われていない部分も多いよう。


ホタル館の存在も、だから、あまり観光マップにも大々的にださない方向にもあるよう。
そういえばいつの間にか、自然なんたらセンターって似た施設が出来ていました。休館でいけなかったけど、博物館的なものみたいです。


ホタルもその生息する環境どうのじゃなく、とにかく増やしてくれってリクエストみたい。
見せるのは簡単かもしれないけど、彼らの生きる環境まとめて見せることがやはり大事だと、思うのですが…


島の方も、考えがどうしても、言い方は悪いけど古いままになってしまっている。
(勿論、全員ではありません)
「あっちの方にはホタルいっぱいいたから、まだ大丈夫」
あっちの方、すでに10年前のことだったりするようです。
「今年は少ないけど、来年にはまた出るさあ」
そうして現実をきちんと見えていなかったりする。


観光客の食事のための貝。
サイズがどんどん小さくなる。
でも天然の貝はどんどんとらないと観光客減っちゃう。
次世代を残せないサイズまでとりつくされてしまう。
採る仕事は地元の方。


資源は有限であることが、まだまだ浸透していません。
ゴミも当然そこらへんに、な世界でもあります。
でもこれ、西表でも、御蔵でも同じだった。
もう何十年も裏に捨てれば大丈夫だった、
けど、いよいよ本当に限界がきてるけど、今までの「当たり前」がいきなり変わるわけない。
アタマがいきなり切り替わるわけない。
難しいところです。



館長夫妻は地道に色々な活動をされていました。
こうして飼育展示して、ホンモノを見ることの大きさ、
こんな生き物がいるということ
外来種問題(ちゃんと面倒な飼育許可もらっていました。ウシガエル200匹とか)も教え説く。
観察会もする。
特に子供たちに対する啓蒙は地道で、でもすこしずつ。


色々言われることも多いけど、少しずつ浸透してることもある。
自分の次の世代にも今の久米を誇れるようにいたい、
今の久米の自然を残していけるように。
外から言うのは簡単だけど、こうして島に住んで、生活して、そして密着して教え伝える。
本当に大変だと思います。
でも外から言う言葉より、ずっとずっと重い。


結局のところ、久米だけじゃあなくて、色々なところで抱えているものは同じな気がしました。


奄美もそう。
ある日どばっと伐採されてる。
何で?と思うけど、センターの方は
「何のため?伐採の為(笑)」
と言ってるくらい。目的がはっきりしない。
次の年に行ってもその場所は確かに何かされたわけでもなく
伐採されたままだった。
まさにクロウサギの生息する地域の真ん中だったけど。
土建がまだまだ大きい。職がないから仕方ない。
どんどん道路は増えていく。
微妙なSカーブのためにまっすぐのトンネルが出来てたり。
地元の方がマングースのこと、クロウサギのこと、全然しらなかったり。
外からイメージするほど「自然が売り!」というようでもない。


はじめて奄美に行ったころは、本当にそのギャップに驚かされていました。
自然が売りであり、自然が多くてそういうのを求めてヒトが訪れていると思っていたので
どこかしらで工事が行われており、よりきれいで整ったものを作っているような。
その一部を見て喜ばせているような。。
クロウサギはまだいるけど、限定された場所になりつつある。
車での観察ツアーも色々あるようだけど、なりふりかまわずウサギのみ!なのでかなりの影響もあると思う。
ウサギ以外は見えていないし、見せていない。
どんどん追い詰められているんじゃないだろうか。。
さすがに自身でそういうツアーに乗ることはなかったけど、マングースのこと、ウサギの現状、教え説いていることはなさそうだった。



前も書いたけど、西表もよっぽどきれいな道路が出来ている。


今ちょっと関わってる対馬も同じ。



御蔵島のイルカ関係のシンポジウムみたいなのに行ったとき
何気なく「ゴミ処理ってどうしてるんでしょうか」と質問してみたら、すごい困った笑顔をされた。
(まさにあ、まずいこと聞いたかな、と感じたくらい)
「え〜、正直、ありません。可燃はあるけど、不燃は裏にほかすっていうのが、今でもです。
少しずつ、こういうのも動きはありますが…」
そうか、同じか、と思いました。
(注意:数年前のお話なので、今はどうかは分かりません。なので、これが今もだ!というわけではありません)


おなじみキャンプ場の炊事場の水もたしかにそのまま川に流れ、そのまま海に行ってる(見えます)
当然洗剤使ってもまんま流れる。
大雨のときは缶とかも山から流れてきて、そのまま海へとまっしぐら。
これはむしろ釣りの方に言われて私も気が付いた。
あまり石鹸を使わないでって言われたのでした。


どこも似たようなもの。
本当、世界遺産に!なんていう前にやることいっぱいあるんじゃあないかと思うのです。
このまま世界遺産推薦したところで、色々規正とか整っていなかったら認められない。
マングースだけじゃなく、イタチやオオヒキガルやイグアナや。
隠していたってどうしようもない。
まだ自信をもって推薦できるような段階じゃないような。。。



色々お話したけど、結構な時間話して思い出しきれていません。
でも観光な本見てたって知りえないこといっぱいでした。
書いていないことばかり。
不都合なことは、やはり教えてくれないのか。
ただ生き物求めていくだけの自分もまた、そのまま見て写真撮っただけじゃあ知らない事は沢山。



離れた場所で自分ができることはなんだろう。
いつも考えます。
焦ってばかりでもどうしようもなく
外野からああだこうだいうのも勝手。だけど。
でも、少しでもこういう場所で伝えられたら、気にしてもらえたら、
そう思っております。
いい場面を伝えるだけではなく、マイナス面も伝えられたら。
「みなさん行かないで!」という意味ではなく。です。
そういうことを踏まえた上で島に行くと、違うことも見えてくるかもしれません。


ゆえに、できる限り事実を伝えたい。
もし間違った情報を乗っけていたら、訂正するのでおしえてください。