亜成獣でした


先月自分で動物を搬入ということを初めてやってしまいました。


今まで野外でけがをしたと思われる状態の動物を見たことは何回かありますが
手を出さず(あるいは出せず)のことがほとんどでした。
今回は「傷病」とは言いずらいものがあるので、例外としての搬入です。


バイト先は敷地の一部貸し会議室としても日中使用されています。
たまたまバイトで私が出向いていた日に、その貸し会議室の一部屋にコウモリが入ってる!なんとかして!とお願いが。
田舎なのでアブラコウモリが迷い込むというのは今までもあったそう。
なので私も「まあアブラコウモリだろうし、窓を開けるか一時捕獲して外に放そう」なんて思ってました。
コウモリは好きなのでそれでもかなり喜んでましたが…
(ちょうど前日バットディテクターを使って観察会をしよう!と職場で話していたところ)


と思ってその部屋を覗き込んでみたら(使用されてたわけではなく、たまたま気がついたそう)床に黒いもぞもぞするものが…
あれ、でかい?
と思ったらぱっと飛んで部屋をぐるぐる
でかい!アブラじゃない!
家屋に入り込むものでアブラ以外で大きい!?なんだなんだ!?
もうテンションが一気に上がりました。



割と大きい部屋だったので、網を借りて捕獲(もちろんですが、力いっぱい網振ったりはしません。あくまでふわっと!捕獲した時に怪我や骨折させてはいけません)
威嚇しまくっているし、びびり気味。
コウモリは好きでも手で持つなんてことをする機会なんてほどんどありません。力加減が…
やっぱりアブラコウモリじゃありません。
しかし知識はここまで…(これじゃないという除外はいくつか出来るけど、テングじゃないとかキクガシラとかでもないとか)それ以上がない。ちゃんと同定した方がよさそうということくらい。。
あわててコウモリ研究している友達に電話して、ヤマコウモリじゃないか?というあたり。
とりあえずアブラ以外の記録状況がその場では分からないので、そのまま放せず。
(友達には大いにお世話になりました、感謝です!)



最終的には岐阜にお住まいのコウモリ研究の先生に引き渡し、計測して放してもらうことになりました。


一人ではおっかなびっくりでけがしていないかどうかのチェックもできないので(しかも図鑑も職場に置いてあった)
翌日自ら搬入。。事情も説明。
ミルワームをすごい勢いで食べておりました。


翌日無事引き渡し、放してもらいました。
ヤマコウモリ♀でした。
岐阜では非常に記録が少ないとのこと。
貴重な事例となりました。



自分がその場にいなかったら「窓を開けておけば自分で出ていくと思うから」と言うか、捕獲して外に放すようにアドバイスしただろうな、と思うとその個体にとって不運というかなんというか。
きっと電話口ではそれで済ませていて、実は珍しい種だったというのもあるんだろうなと改めて思いました。
だからって全部確認する訳にもいきませんが。
たまたま居合わせたことでデータも取れて、少しでも研究分野にも貢献できればと思ってしまいました。
けがしてない(と思われる)のに搬入?と突っ込みもありそうですが
ここはあくまでもデータ取りも兼ねてということです。



傷病にかかわってはいるものの、自分がそういうことをするとは思ってもみない経験でした。