先日黒い毛をまとったアイツが来てしまいました。
来たとしても、年に一回か二回くらいだよ〜と聞いていたのに、なんだよ!すでにこっち来て2回目になってしまったじゃないか!(ということは、今年度は打ち止めか)


しかし、処置するもやっぱり「死に逃げ」あっという間でした
見た目少し余裕ありそうに見えたのは限界までそれを見せない野生動物だからか。
悔しい。



死んだら終わりじゃないよ!ということで、もちろん解剖もさせてもらい(許可得てます)
これは…助からないよね…と思わされる。
研究用の材料は保存してそれぞれに送り、少しでも無駄な死にならないよう思いめぐらす。
でも、やっぱりただの交通事故じゃないことって、そこそこあるんだなと思わされる。
これがそのまま路上で死んでしまって、時間がたっていたら気が付かなかったこと、見落としたであろうこと、山ほど出てきます。
わずかでも生きているときの状態も見ているからこそ分かることも多い。
直接命を奪ったのは、交通事故だけど、その前から「何か」が起こっていた個体
まだもう少し調べないとわからないことはたくさんです。




という日中の出来事で、若干滅入る気持ちだったところで夜電話が…クロウサギの死体があるよと。
しかもまだ新しい。
ガソリンぎりぎりでしたが、新鮮じゃないと出来ない研究もある。何度も轢かれたり、ノイヌやノネコに持っていかれたりしかねない。あわてて取りに行ってきました。
無駄な死を減らしたい。
少しでも、活かせる何かを残してやりたい。
何とかこちらも研究用材料をいくつか採ることもできました。




以前の時も(死体を見つけた時)せめて、交通事故起こしたら知らせてくれたら!と思ってしまう
時間がたてば、状態は悪くなり、「何が起こったのか」がわからなくなってしまうし
データや研究に活かす道も次々途絶えてしまう
新鮮でないと取れないものもたくさんあるし
少しでも、一つでも何か活かせる道はないか、ずっと考えてる。いろいろあたってみてる。
死んでしまって残念だね、じゃあ終わらせちゃいけないんだよ。
私はあくまでコーディネートみたいな役回りばかりだけど、現場にいるからこそ発信できることもあるはず




我ながら何か憑いていると改めて思ってしまう晩でした。



研究に活かせたことは少しでもよかったかもしれないけど、自己満足みたいなもの。
無駄にしていない!と思える自分でいたいからに過ぎない
少しでも新しいデータとなったり、知見が増えていくことを願うばかりです。


まだ確定ではないですが、今回二頭とも母だった可能性が高そうです。
穴をしっかり埋めて、子供がそこにじっと母が来るのを待っているスタイルの種類
だからどこに子供がいるのかも、もちろん分かるはずもない
帰ってこない母を今も待っているのか、もう弱って生きてはいないのか…
交通事故で死んでしまったのは二頭じゃあないわけです。
どうにもしてやれない…
何とも心が痛みます。